誤嚥(ごえん)を防ぐには、食べ物を送り込む**「舌の力」、気道をふさぐ「飲み込む力(喉の筋肉)」、そして万が一入った時に出す「吐き出す力(呼吸筋)」**を鍛えることが非常に有効です。
日常で簡単にできる**「嚥下(えんげ)トレーニング」**をいくつか紹介しますね。
1. 飲み込む力を鍛える「あいうべ体操」
口の周りや舌の筋肉をダイレクトに鍛える有名な体操です。
「あー」:口を大きく開く
「いー」:口を横に大きく広げる
「うー」:口を強く前に突き出す
「べー」:舌を思い切り下に伸ばす
ポイント: 1回4秒ほどかけて、大げさなくらい動かします。1日30回が目安です。
2. 喉仏を動かす「シャキア法(頭部挙上訓練)」
寝ながらできる、喉の筋肉をダイレクトに強化するトレーニングです。
やり方: 仰向けに寝て、肩を床につけたまま、つま先が見えるまで頭(首)だけを持ち上げます。
キープ: そのまま30秒〜1分キープ(難しい場合は10回程度の上げ下げからスタート)。
効果: 喉仏を引っ張り上げる筋肉が鍛えられ、飲み込む際に気管のふたが閉まりやすくなります。
3. 舌の筋トレ「舌出し・舌回し」
舌は食べ物をまとめて喉に送り込む「ポンプ」の役割をしています。
舌出し: 舌を前後左右に思い切り出す。
舌回し: 口を閉じたまま、歯の表面をなぞるように舌をグルグル回す(左右10回ずつ)。
効果: 食べ物を口の中でまとめる力がつき、バラバラになった鯖缶などの誤嚥を防ぎます。
4. 吐き出す力を保つ「吹き戻し(ピロピロ)」
万が一、食べ物が気管の入り口に来たときに「カッ!」と吐き出すには、腹筋と肺活量が必要です。
方法: 昔ながらのおもちゃ「吹き戻し」を思い切り吹く、あるいはストローでコップの水にブクブクと息を吹き込む。
効果: 呼吸筋が鍛えられ、誤嚥しそうになった時の「自浄作用」が高まります。
【食事の直前に!】嚥下おたふく風邪(パタカラ体操)
食事の前に発声するだけで、口の動きをスムーズにする準備運動です。
| 文字 | 鍛えられる部位 | 効果 |
| パ | 唇 | 食べ物を口からこぼさない |
| タ | 舌の先 | 食べ物を押しつぶし、運ぶ |
| カ | 舌の奥 | 喉の奥へ送り込み、誤嚥を防ぐ |
| ラ | 舌全体 | 食べ物を丸めてまとめる |
コツ: 「パタカラ、パタカラ」と3回唱えてから食べ始めるだけで、喉の準備運動になりますよ。
トレーニングも大切ですが、食事中に**「姿勢を正す(少し前かがみになる)」**だけでも誤嚥のリスクはグッと下がります。